輸入車は「アフターサービスで勝負」…維持費の不安を払拭 販売業者

ＢＭＷジャパンやメルセデス・ベンツ日本など高級輸入車の販売業者が、 部品交換などメンテナンスを無料や割安価格で行うサービスに力を入れている。

「輸入車は国産車と比べて維持費が高い」という不満を払拭（ふつしよく）し、 国産車からの乗り換え促進に一役買っている。欧州車はユーロ高に伴う値上げが相次いでいるが、 新サービスで顧客の囲い込みを狙う。

ＢＭＷは１月からメンテナンスの新サービス「サービス・インクルーシブ」を始めた。 契約当初に所定の料金を払うと、最長５年間または走行距離２０万キロ以内であれば、 エンジンオイルの交換などのメンテナンスが受けられる。
ＢＭＷ「３２５ｉセダン」では契約時に払う料金は４万７０００円。

その後にかかるメンテナンス費用は未加入の場合に比べ、走行距離が４万キロの場合で８４％軽減できるという。 ベンツなどの競合他社もメンテナンスサービスを備えているが期間は３年。

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ＢＭＷは自動車の保有期間が平均６・８年（日本自動車工業会調べ）である現状を踏まえ、 「保証期間が短いと顧客に不親切」（ヘスス・コルドバＢＭＷジャパン社長）として、 保証期間を最長５年に設定した。

ベンツやアウディはサービス自体が新車購入時に標準的に盛り込まれており、 その後の費用が実質無料であることが特徴だ。 ベンツ日本のハンス・テンペル社長は 「輸入車の維持費は高いという偏見をなくしたい。タダよりいいものはない」と語る。

また、サービス期間中に受けられるメンテナンス項目もＢＭＷの倍以上に設定。
アウディジャパンも修理に携わる技能者育成に力を入れるなど保証期間の長さではなく、サービスの質で差別化を図っている。

ユーロ高に伴う値上げの影響で、外国メーカーの輸入車販売台数は平成１９年度に５・６％減少した。 今年度も「年内に再値上げが予想され、厳しい状況が続く」（日本自動車輸入組合）見通しだ。
少しでも販売を伸ばそうと、メンテナンスや販売網の整備といったサービスの拡充競争が続きそうだ。