ハイブリッド車の効果!? トヨタ自動車などが期間従業員の採用再開

一時的とはいえ、仕事出来るのはうれしいものでしょうね。
でももっと景気の回復を望みます。

トヨタ自動車は８日、１０月から愛知県内の車両組立工場などで、期間従業員約８００人の採用を再開すると発表した。ハイブリッド車（ＨＶ）などエコカーの受注好調を受けて生産が回復しているためで、期間従業員の採用は昨年６月以来、１年４カ月ぶりとなる。自動車大手では三菱自動車、日野自動車の２社も期間従業員の採用を再開している。８月の登録車販売が１３カ月ぶりに前年超えとなるなど自動車市場は回復傾向にあるが、生産現場にも徐々に活況が戻ってきた。

　◆契約は来年３月まで

トヨタは、採用を再開する期間従業員を、ＨＶの新型「プリウス」を生産している堤工場（愛知県豊田市）を中心に配置する考えだ。販売の落ち込みを受け、トヨタは昨年夏のピーク時に約１万人いた期間従業員を約１５００人にまで削減した。

しかし、５月に発売した新型プリウスが、政府のエコカー減税の追い風などもあって、納車まで数カ月かかるなど好調で、６月からは月５万台のフル生産とし、休日出勤や残業の再開、関係会社からの応援要員派遣といった対応をとってきた。

期間従業員の採用再開はさらにこれを強化する措置で、以前契約を打ち切った期間従業員を中心に募集する考えだ。ただ、政府のエコカー購入支援がいつまで続くか分からないという不安定要素もあるため、トヨタでは「契約期間は来年３月までとする」としている。

自動車業界ではこのほか、三菱自が、水島製作所（岡山県倉敷市）で１０月までに、期間従業員３００人を含む現場作業員を６００人増員する方針。新興国向け輸出が回復しており、主力セダン「ギャランフォルティス（海外名ランサー）」などの生産を増やすことに対応し、作業員を採用する。

期間従業員については、将来、正社員化することも視野に入れている。

◆本格的雇用まだ先

日野自動車も、アジア市場における小型トラック販売の回復などに対応するため、国内３工場で１０月半ばまでに９００人を採用する考えだ。

自動車大手による期間従業員の採用再開について、岡三証券の岩元泰晶アナリストは「自動車業界が最悪期を通過しつつある大きな兆しだ」と、歓迎する。

ただ、最大市場である米国は政府の新車購入補助が８月で打ち切りとなり、９月以降は反動減の懸念が指摘されている。国内でも、政府支援策の追い風が「需要の先食いにすぎない」との見方もあり、業界では先行きについては慎重な見方が少なくない。

今回の期間従業員の採用再開は「大幅減産に伴い極端に減らした従業員を、少し元に戻すという意味合いも強い」と岩元氏は指摘する。このため、「雇用の本格加速には、すぐにはつながらないだろう」とみている。