米新車販売台数：ビッグ３不振 大型車離れ、加速 ガソリン高、消費者敏感

アメリカ経済云々ではなくやはりガソリン価格が影響しているのでしょう。

１日に発表された自動車メーカー各社の７月の米国新車販売台数で、日本車メーカー８社のシェアが初めて米自動車大手３社（ビッグ３）を上回ったことは、ガソリン価格の高騰に敏感な米国の消費者の「大型車離れ」が一気に加速していることを裏付けた。

ガソリン価格は原油高騰を背景に、１年前に比べ４割近く上昇。「消費者の行動は大きく変わった。業界は激しい構造変化に直面している」とゼネラル・モーターズ（ＧＭ）のリック・ワゴナー会長が言うように、米国市場で各社は燃費の良い小型車への対応という新たな競争に向かっている。

米国では長年、大型車が好まれてきた。広い国土に道路幅も広い米国の生活スタイルに合わせたスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）やピックアップトラックは常に販売の上位を占めてきた。それが、昨年秋以降の原油高騰に伴うガソリン高で状況が一変。フォード・モーターが「世界で一番売れている車」（ムラーリー会長）と自慢してきた大型ピックアップトラック「Ｆ１５０」の販売台数が激減し、同社は新型車投入を延期した。ＧＭやクライスラーも事情は同じで、ＧＭはＳＵＶブランド「ハマー」の売却方針を表明している。

ハマーやＦ１５０を含む小型トラックの７月の販売台数は、ＧＭが前年実績比３４・７％減、フォードは同２２・３％減、クライスラーも同３１・４％減と販売の足を引っ張った。

日本勢も小型トラック部門はトヨタで前年同月比２７・１％減、ホンダも同２２％減と苦戦。各社は米国で大型車の減産を迫られ、昨年以降、急速に高まった小型車需要には日本からの輸出の増加でしのいでいる状況だ。トヨタ自動車が建設中の米工場での生産車種を、大型車から品薄続きのハイブリッド車「プリウス」に切り替える方針を決めるなど、各社とも米国での現地生産体制の見直しを急いでいる。