故ダイアナ妃が乗っていた事故車両、売却の可能性

この痛ましい事件の記憶が消えることはありません。
本当の原因を心から知りたいものです。ご冥福をお祈りします。

英国のダイアナ元皇太子妃がパリで自動車事故に遭い、他界してから11年—事故当時、ダイアナ妃が乗っていた黒のメルセデス・ベンツS280の返却を、所有者である仏リムジンレンタル会社が求めている。返却後、事故車両は「記念品」として売却される可能性が高いという。英日曜紙メール・オン・サンデーが伝えた。

　事故車両はダイアナ妃の死因究明調査のためフランスから英国に移送され、2005年7月以降、ロンドン警視庁の施設に保管されている。残がいには事故当時の血痕が生々しく残されているという。

ダイアナ妃の死因を究明するための審問は英国で昨年10月に開始。約6か月後の今年4月、死因は「事故死」だったとする評決が下されている。

これを受けて事故車両の返却を求めているのは、パリに拠点を置くリムジンレンタル会社「Etoile Limousine」。同社のJean-Francois Musa氏は、「事故車はとても価値のあるものだ。しかしわが社では事故後、何の補償も受け取っていません。関係当局はわが社が持つ財産権をまったく考慮していないようですが、車を処分する権利を持つのはわが社だけです」と主張している。

同社ではダイアナ妃の恋人で、同じ事故で亡くなったドディ・アルファイド氏の父モハメド氏に事故車両を売却する意向を示しているが、モハメド氏は6日、「実に悪趣味な考え」として提案を一蹴（いっしゅう）している。

また英王室関係筋によると、ダイアナ妃の息子であるウィリアム、ヘンリー両王子も、事故車両が「いやらしい記念品収集家の手に渡ることなく、ひっそりと内密に処分される」ことを願っているという。

メルセデス・ベンツS280の新車価格は約7万ポンド（約1400万円）。事故車両には最高で約100万ポンド（約2億円）の値が付く可能性もあると見られている。米俳優ジェームズ・ディーンやジョン・F・ケネディ元米大統領が死亡時に乗っていた車と同列に語られるこのメルセデス・ベンツS280には、これまで米国を中心に世界中から買い取りの申し出が届いているという。

ダイアナ妃の死因究明調査を主導したジョン・スティーブンス元警視総監は6日、事故車両の返却に関し、フランスの司法、警察両当局と協議を進めている最中であることを明らかにしている。