茨城県大洗 狙われるサーファー、海岸の車上荒らしに注意

サーフィンを楽しんでいる人は車上荒らしに気をつけて。

茨城県内の海岸沿いで昨年一年間に起きた車上狙いは二百四件で、被害者の多くは県内外のサーファーとみられている。貴重品を車内に残したままマイカーの鍵を近くの植え込みや車両の陰に隠して海に向かうサーファーの習性を見抜いた犯人が、鍵を使って車を傷めずにのうのうと犯行に及ぶケースが多いという。鍵を隠す様子を近くでうかがっている可能性も高い。
今後、県警は沿岸地域での警戒を強めるとともに、サーファーに注意を呼び掛ける方針だ。

本県の海岸線は、太平洋に面し遠浅の砂浜が広がることなどから、サーフィンのメッカとして知られ、四季を通じて県内外から多くのサーファーが訪れる。プロサーファーの競技大会も毎年開かれている。
海岸では、近くの駐車場にマイカーを止め、ウェットスーツに着替えてサーフボードを抱えながら海に向かうサーファーの姿が多く見られる。

カーセンサー

所持品の置き場に困ることから、現金などの貴重品はすべて車内に置いたままにすることが多いという。県内沿岸を管轄する七警察署で、昨年一年間に起きた車上荒らしの事件は計千九百八十三件。

このうち約一割の二百四件が海岸付近に集中した。水戸署によると、大洗町の海岸沿いで昨年起きた二十五件のうち、二十一件がサーフィン中の被害だった。北茨城市内では五月、県内在住の男性(33)がサーフィン中に被害に遭い、車内の現金十四万円を盗まれた。
男性はマイカーの鍵をタイヤの上に隠していたという。

犯人は鍵でドアを開けたとみられ、車両のドアや窓ガラスには一切傷が無かったという。大洗町内の海岸でサーフィンを楽しむ群馬県内の男性は「貴重品はすべて車内の見えにくい場所に置いたままにしている。

たまに海の中から車が盗まれていないか確認している」と話した。県警は、沿岸地域でのパトロール強化や地元自警団との連携で、車上狙いの被害を食い止めたい考え。
ただ、サーファーたちの自衛策も必要不可欠として、「複数で訪れた場合は、一人が陸にいて全員分の貴重品を預かってほしい」と注意を促す方針。