三菱自動車とクライスラーがエンジン合弁解消

業界もいろいろな動きがあるみたいです。まだ少し落ち着きそうにありませんね。

三菱自動車が米自動車大手クライスラーとのエンジン合弁生産事業の提携を解消したことが１１日、明らかになった。クライスラーが発表した。破綻（はたん）したクライスラーが新会社として再スタートすることに伴う措置。来年夏にはＯＥＭ（相手先ブランドによる生産）契約も打ち切る方針で、三菱自の創業以来、約４０年にわたって続いた提携関係は事実上、解消となる。一方で三菱自は電気自動車（ＥＶ）における仏プジョーシトロエングループ（ＰＳＡ）との提携を強化。自動車メーカー各社は米ビッグスリーとの提携を見直し、エコカー開発を軸とした新たな協力関係を模索しているが、三菱自の海外戦略も大きな転換点を迎えている。

　合弁事業は、クライスラーの前身ダイムラー・クライスラーと三菱自、現代自動車（韓国）が２００２年に合弁生産会社を設立。低燃費車向けの４気筒エンジンを共同開発した。

ただ、三菱自向けのエンジンは三菱自の国内工場で生産。その後、資本関係のあったダイムラー・クライスラーが、リコール問題などで窮地に陥った三菱自の支援を打ち切ったことから両社の関係は悪化し、米国工場で生産したエンジンを三菱車に搭載する構想も頓挫した。

クライスラーの破綻（はたん）に伴い、今年８月末、三菱自と現代自は合弁工場の出資分をクライスラーに売却することになったが、「影響はほとんどない」（三菱自）としている。

一方で三菱自は、米国でクライスラーからＯＥＭ供給を受け、「レイダー」の名前で販売しているピックアップトラックの契約を来年夏に打ち切る。破綻したクライスラーとの相乗効果は薄いと判断したためで、販売台数が少ないため、やはり「影響は軽微」としている。

“米国離れ”と対照的に三菱自が加速させているのがＰＳＡとの提携だ。三菱自はＥＶ「アイ・ミーブ」をＯＥＭ供給し、２０１５年をめどに両社あわせた販売台数を５万５０００台とする。環境車の牽引（けんいん）役としてＥＶを位置づけているだけに、今後も協力関係を強化する考えだ。

米国では、トヨタ自動車が米ＧＭ（ゼネラル・モーターズ）との合弁会社を清算するなど“ビッグスリー”頼みのメーカーの提携戦略が変容しつつある。一方でエコカーをキーワードに、独ダイムラーが米の電気自動車ステラ・モーターズに出資するなど、新たな再編劇が進んでいる。